チェルシー、リバプールとの壮絶な打ち合いを制しCL準決勝へ
2009年4月15日(水) 11時33分 スポーツナビ
スタンフォードブリッジに新たなドラマが生まれた。欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝の第1戦でアウエーながら3-1と勝利を収めたチェルシーは、14日の第2戦を有利な状況で迎えた。しかし、勝負をあきらめないリバプールの粘りの前にチェルシーは思わぬ苦戦を強いられ、最後は4-4という誰も予想していなかった劇的なスコアで辛くも逃げ切った。両チーム16本ずつ、合計32本ものシュートが飛び交う乱打戦を制して準決勝の切符を手にしたのは、“ブルーズ”(チェルシーの愛称)だった。
リバプールは前半を2-0とリードして折り返し、逆転勝利への期待がふくらむが、後半にチェルシーが反撃を開始。試合はここから、すさまじい点取り合戦の様相を見せる。チェルシーは57分までに2-2の同点に追いつくと、76分のランパードのゴールでいったんは3-2と逆転に成功する。だが、追いすがるリバプールもすぐに追いつき、さらにカイトのゴールで4-3と再び逆転。もう1点リードを広げれば準決勝進出が決まるところまでチェルシーを追い詰めたリバプールだったが、最後はランパードのゴールで追いつかれてしまい、万事休すとなった。
この日、ピッチには主将スティーブン・ジェラードの姿はなかったが、リバプールは開始からフェルナンド・トーレスらを中心にアグレッシブに攻撃を仕掛けた。すると、この姿勢がチェルシーのゴールをこじ開ける。19分、ファビオ・アウレリオが左足から放ったFKがGKチェフの逆を突き、リバプールに先制点をもたらす。さらに28分にも、ファビオ・アウレリオのFKからゴール前の競り合いでイバノビッチがシャビ・アロンソをつかみ倒したとして、リバプールにPKが与えられる。これをシャビ・アロンソが自ら決めて、リバプールは早くも2点をリードした。この時点でチェルシーのサポーターの脳裏には嫌な予感が漂ったに違いない。
だが、この2失点で目が覚めたのか、後半に入ってすぐにチェルシーは攻撃の手を強める。まず51分、アネルカのクロスがゴール前のドロクバの足に触れ、微妙にコースが変わったボールがGKレイナの手に当たりそのままゴールイン。さらにチェルシーは6分後にゴール正面でFKを得ると、アレックスが目の覚めるような弾丸ライナーをたたき込み、2-2の同点に追いついた。
その後もチェルシーの猛攻は続く。76分、ドロクバが中央から左に流れながらボールを受けると、そのままDFをかわして中へ折り返し、フリーになったランパードが決めて逆転。チェルシーはここでリバプールに引導を渡したかに見えた。
しかし勝負はまだついていなかった。ここからリバプールは捨て身の反撃に出る。81分、ルーカス・レイバが放ったミドルシュートがエッシェンに当たって方向が変わり、GKチェフは動けずにそのままゴールへ。このラッキーゴールで3-3に追いついたリバプールは、直後の83分に、途中出場のリエラが左サイドからDFをかわして速いクロスを送り、カイトが頭で押し込んで、リバプールが再び試合をひっくり返した。
残り時間わずかながら奇跡の逆転にあと一歩と迫ったものの、リバプールの粘りもここまでだった。89分、ドロクバが相手DFを振り切りドリブルでサイドから持ち込むと、アネルカを経て最後はゴール前のランパードが中央からシュート。弧を描いたボールは左ポストに当たってゴールに吸い込まれ、チェルシーが最後の最後にとどめを刺した。
見る者すべてを興奮と感動の渦に巻き込んだスペクタクルな一戦は、こうして4-4の引き分けに終わった。この結果、バイエルン・ミュンヘンを退けたバルセロナの準決勝の相手はチェルシーに決まった。
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意地の4発も…リバプール“奇跡”起きず
2009年4月16日(木) 7時3分 スポーツニッポン
【欧州CL リバプール4―4チェルシー】リバプールが壮絶に散った。ホームの第1戦で予想外の完敗を喫し、消化試合になりかねなかった第2戦で意地の4得点。敗れはしたが、大会史上に残る死闘を演じた。
「こういう負け方であれば顔を上げて胸を張れる。素晴らしい戦いを演じた選手を誇りに思う」
ベニテス監督が振り返った。後がない状況から2度にわたってチェルシーを追い込んだ。序盤から前線でプレスをかけて積極的に攻め、前半は2―0。攻めざるを得ない中で後半はカウンターに苦しんで2―3とされたが、36分、38分と続けて得点して4―3。05年CL決勝でACミランに0―3から追いつき、PK戦を制した“イスタンブールの奇跡”を予感させる状況をつくりあげた。
終了1分前に4―4とされて力尽きたが、チェルシーがホームのCL戦で3失点以上するのは73戦目で初めて。5季連続のCL対決となった相手とは準決勝で対戦した昨季に続く連敗となったものの、大黒柱のMFジェラード主将を股関節痛で欠いた中、力を示した。
ファン96人が観客席の事故で圧死した「ヒルズボロの悲劇」から20年目の節目となる追悼式典を試合翌日に控え、スタンドには犠牲者の名を記した旗も掲げられた。「96人と遺族のために挑戦しないと」と逆転を誓っていたフェルナンド・トーレスは不発に終わって唇をかみしめたが「ファンも喜んでくれたと思う。プレミアリーグへ前向きに考えたい」と指揮官。悔しさは首位マンチェスターUを勝ち点1差で追う国内リーグで晴らす。
2009年4月14日(火)
キックオフ 27:45 (現地時間 19:45)/会場:スタンフォード・ブリッジ(ロンドン)/主審:ルイス・メディナ・カンタレホ
チェルシー 4 (0-2/4-2) 4 リヴァプール
(得点)
チェルシー:ドログバ(後半6分)、アレックス(後半12分)、ランパード(後半31分、後半44分)
リバプール:アウレリオ(前半19分)、アロンソ(前半28分)、ルーカス(後半36分)、カイト(後半37分)
チェルシー
GK 1 ペトル・チェフ
DF 2 ブラニスラフ・イヴァノヴィッチ
DF 3 アシュリー・コール
DF 6 リカルド・カルヴァーリョ
DF 33 アレックス
MF 5 ミカエル・エッシェン
MF 8 フランク・ランパード
MF 13 ミヒャエル・バラック
FW 11 ディディエ・ドログバ 後半49分
FW 15 フローラン・マルダ
FW 21 サロモン・カルー 前半36分
(控え)
FW 39 ニコラ・アネルカ 前半36分
FW 9 フランコ・ディ・サント 後半49分
12 ジョン・オビ・ミケル
20 デコ
35 ベレッティ
40 イラリオ
42 マイケル・マンシエン
リヴァプール
GK 25 ホセ・マヌエル・レイナ
DF 12 ファビオ・アウレリオ
DF 17 アルバロ・アルベロア 後半40分
DF 23 ジェイミー・カラガー
DF 37 マルティン・シュクルテル
MF 14 シャビ・アロンソ
MF 20 ハビエル・マスチェラーノ 後半24分
MF 21 ルーカス
FW 9 フェルナンド・トーレス 後半35分
FW 15 ヨシ・ベナユン
FW 18 ディルク・カイト
(控え)
MF 11 アルベルト・リエラ 後半24分
FW 24 ダヴィド・エヌゴグ 後半35分
FW 19 ライアン・バベル 後半40分
1 ディエゴ
2 アンドレア・ドッセーナ
4 サミ・ヒューピア
5 ダニエル・アッガー
金曜日, 4月 17, 2009
チェルシー、リバプールとの壮絶な打ち合いを制しCL準決勝へ
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